アルコール中毒ROCK

酒と病気と音楽と人生を転がり倒す。

14.『26歳』青春の天体観測-中編-

「ハカセに!??」 柳川さんが言った言葉に5人はどっと驚き湧いた。 「今の時期なら木星や土星が肉眼でも見れるぜ ハカセからも色々話しを聞こうぜ!」 僕は話しを聞くだけでハラハラドキドキした。 「でも屋上なんて看護師許してくれるかな?」 えみちゃん…

13.『26歳』青春の天体観測-前編-

太宰府病院はとにかくバカでかい病院だ。売店に何回行っても迷子になりナースステーションで自分の病棟を教えてもらう羽目になる。 僕の病室は4人部屋で僕を合わせて3人入院していて僕は廊下側で隣の窓際のベッドに男性が1人、向かい側に10代らしき男の人が1…

12.『26歳』りんとの出会い。

ヤフーチャットで初めて入室した部屋が 『音楽全般』 という部屋だった。 入室してから緊張した指で「こんにちは」とタイピングするとパラパラと「こんにちは」と返事が返ってきた。それからは僕はずっとROM(傍観していること、またその模様)しており皆んな…

39.『28歳』土砂降りの中の地組み。

8月下旬。 この日は雨の中の足場地面組みと相成った。 広さんとトモくんと3人で現場に出向き人夫出しの西海工業からは5人の職人が来ていた。 朝礼、KY活動が終わり8人で足場組みに入った。出窓が多い新築マンションで地組みは困難を要した。しかしさすが広さ…

11.『25歳』舗装屋さんとインターネット

西進工業の門を叩いたのはゴールデンウィーク明けの5月中旬だった。 瞳ちゃんのお父さんの会社で僕はまたペーペーからのスタートである。 社員は瞳ちゃんのお兄ちゃんを合わせて5人。 機械乗りの3人、 『大塚さん』55歳。 『中原さん』40歳。 『田中さん』35…

10.『24歳』終焉と裏切り。

月初、5日。 金田組は給料日である。 給料は手渡しで給料袋を配るのは瞳ちゃんの仕事だった。 皆んなが給料を貰い終わると給料日恒例の寿司パーティーが始まる。 酒を呑み交わし日頃の仕事の反省をしつつもお互い褒め称え合い、騒いだ。 20歳になった若手3人…

アナキスト。

アナキスト。 まず日本の音楽業界は 「ANARCHY IN THE U.K.」を歌うな。 これから始めよう。 Xは無敵バンドなるものでセックス・ピストルズの「ANARCHY IN THE U.K」を歌っている。それはまずは良しとしよう。だがしかし解せない事がXに、いやYOSHIKIにある…

9.『23歳』職人堅気。

金田組は福岡の桧原町の片隅に30畳程の2階建て事務所を借りた。 1階は道具置き場と社員の私物と安全帯、ヘルメットなどを仕まうロッカー置き場にした。あとは朝、下請けの職人達が現場へ出発までの休憩所でもあった。 毎朝事務所に20名前後の西海工業の職人…

8.『22歳』シンナー中毒。

鹿児島5人組は宮崎20歳の他に宮崎と同じ歳の 『タカヒサ』 というのがおり、あとの3人は皆んな19歳であった。 仕事の能力は宮崎に引けを劣らず僕が現場を抜ける時は宮崎班とタカヒサ班に分かれていた。 ある日、僕が営業で現場を離れていると宮崎から携帯に…

7.『21歳』始動。

新社会人も彩る春。 前もって営業をかけていた会社から次々と仕事が舞い込んだ。 宮崎率いる総勢5名は福岡に5人で2DKを借り装填していた。 「宮崎、来週から2班に分かれて行動するぞ」 僕のリビング、半事務所で宮崎と話し合った。 「わかりました!いざ!…

6.『20歳』鹿児島で生まれた女。

20歳、12月は上旬。 鹿児島出張所では初め孤独だった。 仲間も出来ず20歳の夏に原付免許を取っており鹿児島で原付バイクを買い仕事が終わると1人でバイクで定食屋に夕ご飯を食べに行ったり共同風呂が嫌で「たぬき湯」という銭湯に行っていた。 家族の元には…

隣の隣人の長所。

すごい世の中。 世の中はすごい人達ばかりである。 「あの曲は誰々のパクリだ」 とか 「あの本の内容は浅い」 などと皆色々言いたいのはすごくわかる。僕もいいたいこともある。しかしその非難みたいなものを浴びせられている「彼等」は間違いなく僕らより「…

5.『19歳』不眠症とリタリン。

眠れずに鬱鬱とした毎日を解消すべく僕は精神科の門を叩いた。 誰かがカマを持って襲ってくる恐怖に怯えたり世界中の悲しみを一手に引き受けた気分になったり仕事も育児も全く手につかない状態であった。 「分裂病の陰性症状が出ている疑いが ありますね。気…

神たる言動。

足るを知る。 どこかの偉い大統領が言っていた。 「人は足りるを知らねばならない」 同意見である。 昔からそれは僕の座右の銘であり常に心がけてきたことだ。しかしな、「足るを知る」とはもはや苔を食し雨露を凌ぐ如く仙人の領域なのではないか。いやきっ…

4.『18歳』父親と娘と鳶さん。

鳶、土工の会社に就職した7月31日。 うだる暑さは真夏の工事現場。 こんなにも暑いか。 こんなにも工事材料は重たいのか。 こんなにも働くとは大変だったか。 鳶職人とは建物を建てるにあたって建物、「躯体」に携わる職人さん達の作業足場を組立てたり解体…

大森さん。

大盛りさん。 友人の友人に「大森さん」さんという人物がいる。本当は大森という名前ではない。写真を見せられてその膨よかな風貌から想像できない小森という名前がその人物の本当の名前で僕は勝手に大森さんと名付けた。 その友人と大森さんは毎週出会いの…

3.『17歳』発病。

せっかく客も付いてきたバンドだったが僕はベースの人間性に愛想を尽かし脱退するとギターとドラムと香織ちゃんに相談したんだった。 香織ちゃんは猛反対したがギターは「金ちゃんが辞めるなら俺も辞める」と言い、ドラムも同意見で香織ちゃんは涙を飲んだ。…

最近頭にくる事。

グアム グアムと言えば常夏だ。グアムはいい。海が綺麗で砂浜には美女がビキニときたものだ。ビールにバーベキュー。バーベキューと言えばBBQと言い換えるのは好きじゃない。好きじゃないと言うか大嫌いだKEEP IT REALといった曲があったな。とにかくグアム…

2.『16歳』世間は甘くないなあ。

初夏。 震える手で客にお冷やを運ぶ。 こぼさないように。 リンガーハットなにわ店にて勤務中、バイト中。時給510円。働く事は尊い。 その頃は今の電動鍋ではなく12人前ぐらいのでっかい中華鍋を振っていたのを思い出す。 何はともあれ6月、16歳になった僕は…

1.『15歳』あの時、ああすればもっと。

15歳の春、高校を退学になった。 中学のツレと呑めもしないバーボンを呑んで、酔っ払ったあげくに乗れもしないバイクに乗って事故り警察に捕まったのが運の尽きだった。 警察から高校に連絡が入り事は公に。 そして退学に。 しかし大した絶望感も無く、毎日…

はじめに。

覚せい剤は怖い。 煙草も酒もやめられない僕は覚せい剤が目の前にあったらしてしまう自信がある。しかし運よく僕の周りの環境には覚せい剤が無い。したがって覚せい剤はしないでいれる。だが、覚せい剤があるとしてしまうかもしれない、しないと断言できない…