アルコール中毒ROCK

酒と病気と音楽と人生を転がり倒す。

38.『28歳』香椎花園デート。

次の日曜日はりんを香椎花園という遊園地に誘った。りんから「OK」をもらい愛車のワゴンRでりんの家の近くのバス停まで迎えに行った。

CG202を飲み準備万端だ。

 

バス停に向かって小走りに走ってくるりんが見えた。僕は車を降りて助手席のドアを開けた。

 

「恥ずかしい!自分であけるー!」

 

とのこと。

お迎えに来ました、お姫様。そんな気持ちだった。

 

2人でドライブで中央区から東区の果てまで話題は尽かずに会話を楽しんだ。

神町、郵便局前を右折する時僕は息を飲んでりんに聞いた。

「付き合ってくれなあいかな」

答えは「NO」だった。

へこんでいるとりんが「落ち込むなよー!」と笑いを入れた。そりゃ落ち込むさ。3度目の告白だ。心折れそうな自分を奮い立たせてハンドルを握った。

 

香椎花園に着き僕達はフリーパスの腕輪を付けて遊園地に乗り込んだ。

「海賊船」に乗ろう!と僕が言った。

りんは怖がりながらも海賊船に乗り込んだ。

ブザーが鳴る。海賊船の出航だ。

グリンッと海賊船が回る。りんが似合わない「きゃあーん」と声を上げる。可愛い。

海賊船はやがて90度まで降り上がる。

僕もりんも悲鳴が上がる。

「くっはー!」

「きゃあー!」

書いててテンション上がってきた。

 

やがて海賊船は緩やかになり止まった。

「楽しかったね!りん!」

「こわいぜ!かのん」

 

色々と乗り物に乗り、僕達はソフトクリームを食べた。りんは可愛いなあ。

その舌の使い方がなんとも、

 

などと考えていたらりんがお化け屋敷を見つけた。僕はお化け屋敷は大の苦手だ。

 

「いこう!かのん!」

 

僕は渋々付いていった。

カートに乗るタイプのお化け屋敷だった。

僕は恥ずかしさを顧みずりんの腕にしがみついた。りんは笑っている。僕は怖くてたまらない。怖いと言っても目をつむっているから状況はわからない。とにかく怖い。りんから「かのんはダメダメだなあ!」と言われてしまった。

兎にも角にもお化け屋敷は終わった。

りんだけが笑っていた。

 

僕はふっと近くにミニゴーカートを見つけた。

「あれに一緒に乗ろう!」

僕は勇んでりんを引っ張った。りんは絶叫形は苦手みたいだけど僕が一緒に乗りたかった。

 

僕達の順番が来た。

りんを小さなカートの前に乗せて僕はその後ろに乗った。りんの香りがする。幸せだ。

 

カートが発射した。思いの外激しい。ガックンガックンなる。りんは悲鳴を上げている。僕はりんを前にそれどころではない。

 

カートが終わった。

陽は西に傾いていた。

「夕ご飯はお母さんと食べな」

僕はそう言うとりんを家の近くのバス停まで送った。

3回フラれたとは言え楽しい1日だった。

帰りは愛車のワゴンRの中で缶ビール片手にほろ酔いで帰っていった。

 

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